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30代男の、出来るだけ生々しい婚活模様
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価値観が近いなぁ、と感じるときがある。

同棲したら毎日会えて嬉しいけど、新鮮味がなくなりそう。
そもそも、同棲するなら結婚を覚悟してから。
じゃあどちらかが一人暮らしを初めて、週末だけ一緒に過ごすとか。
でも引越しが面倒くさーい。

そんな理由で、お互い実家に暮らしながら、10日に1回ペースのデートを繰り返している。

この辺、考え方がだいたい同じだった。

それでも、結構頻繁にこの話題が出てくるのは、ひょっとしてお互い、同棲願望があるのかもしれない。
ただ、やはり前述のとおり、結婚を視野に入れない同棲は、お互いが望むものではないと思う。
お堅いかも知れないが、30歳過ぎた男女の恋愛である。冒険するより保守を選びたい。

今はまだ、現状を楽しむだけでもいいよね、というのが、自分と彼女の結論だと思う。
長く付き合えば、嫌でも結婚や同棲が付きまとうだろうし。


ところで、今日はバレンタインだけど、残念ながら予定が合わず、彼女には会えない。
でもチョコは前回貰ってるので、自分たちのバレンタインはすでに終了しているのだ。
いやぁ、いいもんっスね、バレンタイン。
縁がないときは呪わしい行事だけど。
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先日のデートの最中に、自分がオタクであることをカミングアウトした。

「いや、でもほら、あくまで昔の話で、今はだいぶ薄くなってきたかなーみたいな」

我ながら見苦しい。

「何のオタクなの?アニメとか?」
「いや、アニメも見るには見てたけど、主にこういうのを」
と、車のダッシュボードに置かれた、ウルトラマンのフィギュアを指す。
「へー、そうなんだ」

その後、話題は別な方向に逸れていき、特に深くツッコまれることはなかった。

が、何も言われないというのも、それはそれで怖い。
ヘタに掘り返さない方がいいかなーと、結局その日のデート中は、一切その辺の話題を振らなかった。

いつものように仲良く過ごしてお別れしたのだが、不安は募る。
一人になって落ち着いた彼女が、彼氏がオタクであることを思い出して、二人の行く先を案じ始めたりはしないか。
冷静に考えたら、いい歳してウルトラマンとかマジキモーイ、とか。
ヤブヘビは避けたいので、1日経ってから「オタクなんだけど引かないでね」とメールしてみた。
久々に、返事が待ち遠しくて怖い。

彼女からメールが来た。

「あ、そういやそんなこと言ってたね。で、何のオタクだったっけ?」


忘れてはる!!


彼女曰く、外見がいかにもオタクって感じじゃないなら、別に気にしないよ、とのこと。

前回の記事を冷静に読み返し、間違いなく自分がオタクコンプレックスなだけじゃん!と頭を抱えていただけに、なんとも嬉しい返事である。
良かった。こんな女性が恋人で、本当に良かった。
でも、彼女の前ではオタクな話題は避けようと、改めて思う。


今回はカミングアウト成功なのだが。
もし結婚ってことになったら、話は別なのかも知れない。
オタクコンプレックスとの戦いは、まだ続く。
もともとオタクな自分だけど、最近はそういった雑誌を全く読まなくなった。
代わりに読むのは、○○Walkerとか○○1週間などといった、デート情報誌。
そこで『婚活』特集をやってたんだけど、そこで気になる記事を発見。


『オタクはモテる』


厳密には「オタクになるのがモテる近道」といった内容。
容姿、学歴、収入等でアピールポイントがない男性には、何かしらの付加価値が必要で、その中のひとつが『オタク』であると。
なんでも、自分にない知識を持った男性を、女性は頼りになると思うとのこと。

うーん・・・まだまだオタクな男から言わせてもらえれば、それはまずオタクってものを誤認してるんじゃないかと。
オタクってのは、何事かの知識に秀でた人のことではなく、何事かに没頭してる人のことを指すと思う。
しかも世に言うオタクたちの過半数は、人様に理解され難いジャンルに傾倒しているもので。

果たしてそういう人たちが、そこらへんをアピールしたところで、一般の女性が惹かれるものだろうか。

なぜオタクと呼ばれる人たちが、常に日陰者のイメージを纏って認識されているのか。
それはオタクたちが、自分たちのテリトリーを理解しない世間に対し、常に壁を築いているからだ。
今でこそ市民権を得たという認識(これも誤認だと思うが)はあるが、オタク諸氏がそれを望んでいるか、疑問である。


自分がオタクをがっつりやってた時の経験から、以上のように思う。
もちろん、すべてが杓子定規なワケじゃなく、例外だってあるだろう。
ただ、件の記事が、実状を調査せずにインパクト目的で『オタク』たちを利用したように思え、憤慨したので、持論を展開させていただいた。

オタクながらに婚活をやってる男として、看過できなかったもので。


持論ついでに。
極論なのは承知だが、やはりオタクが結婚や恋愛を求めるなら、一番の近道が『脱・オタク』だと思う。
これまた例外も存在し、オタクのまま幸せに結婚したカップルだって知っているが、あくまで可能性で語るなら、多分間違ってない。
オタクを貫くなら、理解のある女性を探す努力が必要だろう。これは自分の場合、途中で諦めたクチだが。
ただ、なにも完全に脱しなくても、オタク分を薄めるだけでも、ずいぶん違ってくると思われる。

で、今の自分はどうなのか。
実はまだ、彼女にオタクであることをカミングアウトしていないまま、付き合っている。
いくらオタク分が薄くなったとはいえ、なかなか言えないよなー。

もしカミングアウトして、それが原因でフられるようなことがあれば、今回の持論を実証したことになる。
それはそれでオイシイかな、などと思うが、リアルにフられるところを想像し、冗談じゃねぇと頭を振る。


・・・ひょっとして、自分がオタクであることにコンプレックスを持ってるだけかも知れない。
やはり彼女は、まだ結婚を考えていない。

より親密な状態で、はっきりと彼女の口から、そう聞いた。

彼女は、まだ仕事を始めて間がない。だから、今はそのことで頭がいっぱいなのだろう。
大変な業種で頑張っている。少ない休みの中、よく自分なんかとデートしてくれてると思う。

自分は、早く結婚がしたい。強制お見合いも含めると、もう1年以上、婚活を続けていることになる。
でも、幸せな結婚を望むなら、相手のことも考えて、待つことも必要なのかも知れない。

要は、彼女が「結婚したい」と思うような彼氏になればいいのだ。

いろいろあって、彼女も自分のことを「好き」と言ってくれている。態度にも出してくれている。
足場は出来た。後は自分が努力を怠らないだけだ。




とまあ、理屈ではなんとなく分かってきたけど、じゃあどうするか、という答えは、未だ出ず。
とりあえず今は、ホヤホヤカップルとしてイチャイチャするのが、もんのすごく楽しすぎる時期なので、できるだけ冷静に物事を見極められるように、努力する。

その冷静な判断力を持って、まずは次のデートプランを練らないとなー。
来ました。メール。彼女から。

「風邪どう?仕事とか無理しないでね」

いやー。ちゃんと心配してくれてたんだ。
ニヤニヤするも束の間。ここであんな記事を書いたことを思い出し、自分小さいなぁと後悔しきり。

好きだーとか恋愛だーとか調子こいて言ってるんだから、もっと相手を信じないと。ああ情けない。
★ プロフィール
HN:
GU
性別:
男性
自己紹介:
30代前半。
オタク趣味に没頭し、婚期を逃す。
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