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30代男の、出来るだけ生々しい婚活模様
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「今度、親が旅行に行って、家に俺一人になる日があるんだ。よかったら、遊びに来ない?」

まるでボンクラ学生の口説き文句だが、今回のデートは本当にそんな感じである。
二人きりになる手段は他にもあるのに、あえて家に招待するのには理由がある。

彼女に料理を作ってもらうのだ。

もちろん自分も手伝って、後片付けも二人で。これってちょっとした同棲シミュレーションなんである。
料理はほとんどしないので、期待はするなと念を押しつつ、彼女は二つ返事でOK。
あれ、正直もう少し抵抗を見せるかなと思ったけど。彼氏の実家に行くのって、そんなに気負うことじゃないのか。
むしろ大変だったのが、自分の親の説得。
「相手が気にしないと言っても、第一印象が大事。綺麗に掃除しなきゃいけないじゃない」
旅行前の親には酷だったかも知れないけど、説得が通じてからは、案外乗り気で片付けていた。

早く結婚して、親の不安を取り除いてあげたいと、改めて思った。

さて、当日。
前半は普通にデートをした後、食材の買い物へ。カゴを持って肉や野菜を二人で選ぶ。
同棲シミュレーションは、すでに始まっている。若夫婦のように、レジ袋を抱える。
我が家に到着するころには日も傾き、しばし休憩を挟み、いよいよ料理開始。
確かに料理はほとんどやってないな、という手つきの彼女を、これまた不慣れな自分がアシスト。初めての共同作業に、テンションは上がる上がる。
完璧とは言い難いが、とりあえず料理は完成。二人並んで「いただきます」
美味しく頂き、おかわりもした。
食後は、これまた二人で洗い物をし、コーヒーを飲みながら、パソコンをいっしょに触る。

今までも二人きりになることは、数え切れないくらいあったけど、今回ほど距離が近かったことはないと思う。
なにげない会話。テレビの音。空気。
好きな人と暮らすって、こういうことなんだなあ、と、憧れを強く感じた。

でもまあ、これはイベントであるから楽しいのであって、生活となるとそう甘くないよな、とも思った。
自分も、料理や家事のスキルを磨かねば。
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一人のときに生じたモヤモヤが、彼女と会って話してるうちに、いつの間にか霧散していた。
単純に、一緒にいたいな、と思える。

うん。やっぱり好きなんだわ、彼女が。

3ヶ月の法則、破れたり。もう迷わないぞコンチクショウ。
これからも、彼女と楽しく過ごせるよう、引いては一生一緒に暮らせるよう、改めて努力する所存。

因みに気になったので、彼女にも3ヶ月の法則について、それとなく聞いてみると。

「そうなの?そういうのって半年くらいが危ないって聞いたよ」

新たなる法則、現る。
先日のデートの最中に、自分がオタクであることをカミングアウトした。

「いや、でもほら、あくまで昔の話で、今はだいぶ薄くなってきたかなーみたいな」

我ながら見苦しい。

「何のオタクなの?アニメとか?」
「いや、アニメも見るには見てたけど、主にこういうのを」
と、車のダッシュボードに置かれた、ウルトラマンのフィギュアを指す。
「へー、そうなんだ」

その後、話題は別な方向に逸れていき、特に深くツッコまれることはなかった。

が、何も言われないというのも、それはそれで怖い。
ヘタに掘り返さない方がいいかなーと、結局その日のデート中は、一切その辺の話題を振らなかった。

いつものように仲良く過ごしてお別れしたのだが、不安は募る。
一人になって落ち着いた彼女が、彼氏がオタクであることを思い出して、二人の行く先を案じ始めたりはしないか。
冷静に考えたら、いい歳してウルトラマンとかマジキモーイ、とか。
ヤブヘビは避けたいので、1日経ってから「オタクなんだけど引かないでね」とメールしてみた。
久々に、返事が待ち遠しくて怖い。

彼女からメールが来た。

「あ、そういやそんなこと言ってたね。で、何のオタクだったっけ?」


忘れてはる!!


彼女曰く、外見がいかにもオタクって感じじゃないなら、別に気にしないよ、とのこと。

前回の記事を冷静に読み返し、間違いなく自分がオタクコンプレックスなだけじゃん!と頭を抱えていただけに、なんとも嬉しい返事である。
良かった。こんな女性が恋人で、本当に良かった。
でも、彼女の前ではオタクな話題は避けようと、改めて思う。


今回はカミングアウト成功なのだが。
もし結婚ってことになったら、話は別なのかも知れない。
オタクコンプレックスとの戦いは、まだ続く。
昨日は、彼女と繁華街でデートだった。

が、そろそろ詳細を書くには生々しい感じになってきたんで、デートについてはバッサリ割愛。

とりあえず、仲良くやっている。
彼女の方はまだ、憎からず想っている、程度だと思う。比べて自分の方は、なんかずいぶんと入れ込んできてる気がする。
恥ずかしながら、いい歳して恋してるんだなぁ、って感じで。
まだまだ、付き合い方にツッコミどころがある女性だけど、それ以上に、可愛く思えたり、尊敬できたりする面を、会う度に見つけている。
自分は馬鹿なんで、その辺のことをつい口に出してしまうけど、そのせいか、距離はずいぶんと近くなった。イチャイチャも出来るようになった。

ただ、忘れてはいけない。これは婚活なのだ。

彼女は結婚まで考えている風ではなく、自分が会話にちょこっと将来のこととか交えると、「えっ?」って反応をする。
やはりまだ「憎からず」程度なのだ。
つまり婚活として、まだまだスタートラインから数歩の位置にしか、到達していないのだと思う。

まあいい。とりあえず今は、恋人であることを楽しもう。

彼女は「憎からず」であろうとも。
彼女とデート。
今までで一番、この表現が正しいという1日。
簡潔に報告すると。

初詣に行った。

手を握って歩いた。

名前にちゃん付けで呼び合うことにした。

プリクラ撮った。

おかげさまで、1日でずいぶん距離を縮めることができた。
上記のすべて、抵抗なく自然に受け入れてくれた。
名前だけは、お互い呼ぶことはなかったけど。

距離の縮まり方は大きかった。
今まで以上に、つっこんだ話もできた。
ちょっと強引にだけど、懸念事項だった「自宅までお送り」も、ほぼ実行できた。
「胸は小さいよ」とか「体毛濃い?」とか、こっちがビックリするような話題も、彼女の方から振ってきた。
プリクラ撮るときも、(機械の指示通り)後ろから抱きしめたり、手をつないで頬をくっつけたりにも、抵抗まったくなし。

今までで、一番幸せな正月だったと思う。
えへへぇ。


ただ、気がかりもある。
彼女の友人が、今付き合ってる彼氏を「本当に好きなのかどうかわからない」と言っていたそうだ。
この例が頭にあるのは、非常によろしくない。
なにせ彼女は「なんとなくいいかな、くらいの思い」で、自分と付き合ってくれたのだ。
省みて、ちょっと一人で盛り上がりすぎたかな、と思う。
今後は少し、冷静に付き合ってみよう。

それにしても、プリクラを発明した人にはノーベル賞くらいあげても良くね?


おまけ。

初詣で引いたおみくじの結果。

 恋愛:父母や親戚の反対があります。

 縁談:取り返しのつかないことになります。

う、うおお・・・。
★ プロフィール
HN:
GU
性別:
男性
自己紹介:
30代前半。
オタク趣味に没頭し、婚期を逃す。
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